桜の花にやってきたギフチョウ
*****
まだ朝も早い雑木林。ひんやりした空気のなか、ツンとくる花の匂いや小鳥のさえずりに…… まだ現れないと分かっていても気持ちの高まりがおさえられません。
薄暗かった林に日があたり気温が上がってくると、小さな虫たちが動き出すとともに気づけばテングチョウとコツバメ。そして待ちに待ったギフチョウの登場です。スギやヒノキの高いところから直線的に降下し林床をゆっくりと舞う姿、たまらなく好きな光景です。
ときおり地面に止まり、翅を広げて日光浴です。
そっと近づいて撮影。今年も出会えたことに感謝です。
オスは林床を飛びながらも、たまに針葉樹の幹に沿って上へと飛ぶ姿が見られます。おそらくメスを探しているのでしょう。
スミレやカタクリにもたまに訪花しますが、気温が高いのか吸蜜の短いこと。思うように撮れずやきもき。
昼頃は枝に止まる姿が目立ちました。ふさふさとした黄色の毛が暖かそうですが、この日はちょっと暑かったかもしれません。
ギフチョウといえばカタクリとのシーンが定番ですが、午後も遅くになってようやく撮れました。
花の中が見えるようにと撮影するならこの角度と決めていました。実際この花に止まったのがたった一度。しかも3秒ほどで飛んでしまいました。
カタクリの花は近年とても少なくなり、かわりにシカの糞、ダニやセンチコガネが多くなりました。シカなどの動物が増えた影響を強く感じるこの頃です。近い将来、何の手も打たれなければ福井の低地ではギフチョウに会えなくなってしまうのではないかと心配です。
今年は桜にギフチョウを満足いく感じに撮れたのがいい成果になりました。
いよいよ今年もギフチョウの季節到来です!
3/2021・福井県にて