蝶にあそぶろぐ

~春はギフチョウ・夏はゼフィルス・四季をたのしみ・蝶にあそぶ~ 蝶の写真を撮りながら蝶あそびをつづります。

ムラサキツバメの越冬集団(2024年11月〜12月)

2024年のムラサキツバメ越冬観察、あまり出かけられませんでしたが少しだけまとめました。

 

冬らしい気温とともに気になってくるのが越冬ムラサキツバメ。もうこればかりはどうしようもありません。ただ2024年は晩秋になっても朝晩を除けば暑いとさえ感じる日が多く、11月の末に下見したときにはあまり越冬姿を見つけられませんでした。越冬までに時間がかかったのか、増えてきたのは12月に入ってからだったような気がします。

 

マテバシイの葉で越冬。

11月下旬の撮影です。

 

タイサンボクの葉で越冬。


12月上旬、公園の散歩道で見つかりました。

 

マテバシイやタイサンボクでの集団撮影は確実ですが、今までけっこう観察してきたこともあって最近は紅葉が楽しめる場所を中心に探しています。

 

紅葉が始まっていて鮮やかになった並木通り。
タイワンフウの樹でしょうか。


適当に探し歩いていると見つかりました。もうどこにでも居そうな雰囲気です。


葉が落ちるまではそう長くないと思います。

 

ムラサキツバメは集団で越冬しますが、丈夫な葉だけでなく落葉樹でも見つかるのがいかにもこの蝶らしく思います。葉が落ちてしまえば飛散するしかないので、十分な越冬経験が遺伝子に組み込まれてないのだろうと勝手に想像しています。

 

2024年11月下旬〜12月上旬
大阪府

北アルプスのクモマベニヒカゲ(2024年8月)

今年の夏はクモマベニヒカゲを撮影しようと信州へ出かけました。時期的にちょうどいいタイミングだったようで各地からの蝶友さんとお会いでき、しばらく撮影ポイントでご一緒させていただきました。それからはぶらぶらと花を見ながら散策し、吸蜜シーンなど撮影しました。

熊も周辺に居るとのことで音を立てながら歩きましたが、なんとか遭遇せずにすみました。

 

花いっぱいの斜面、クモマベニヒカゲの吸蜜を眺めます。

ウサギギクの黄色い花での吸蜜が目立ちました。

 

葉に止まっていたメス。裏面の白い帯が鮮やかです。

この後、オスが絡んで一緒に飛んでいきました。

 

マルバダケブキでの吸蜜。

大きな花だと複数個体での吸蜜が見られます。

 

吸蜜をしっかり撮りたくて花の多い場所でしばらく粘ることに。


ウサギギクでの吸蜜。

吸蜜の一番人気がこの花。花のど真ん中で吸蜜すると花が隠れてしまうので、少しずれた時を狙ってシャッターを押しました。

 

次に多く吸蜜にやってくる花はミヤマアキノキリンソウ

黄色い花が好みのようです。活発な吸蜜姿を楽しめました。

 

この日お会いした方が今年で遠征を終えられると聞き、またどこかで会えるといいなと思いました。

少し早めに温泉につかり、翌朝に帰阪。あまりレアなシーンは撮影できませんでしたが、思い出に残る信州となりました。

 

2024年8月・長野県

タイワンツバメシジミを追いかけた残暑の思い出(2024年9月)

まだまだ残暑厳しい9月初旬、久しぶりにタイワンツバメシジミのチャンスに恵まれたので飛行機を予約し鹿児島へ向かいました。この蝶を過去に撮影したのは10年以上も前の長崎県。その時は高速1000円の頃でした。そんな時代もあったよね〜と懐かしいです。さて2度目の出会いはどうなるでしょうか?

 

なんとか前週の台風をやり過ごし鹿児島空港へ。前日に現地入りして良いポイントを探し出してくれた蝶友さんら案内のもと宮崎県へ。午後に到着した草地でまとまった数の出会いができました。

 

タイワンツバメシジミのオス。
シジミチョウの小ささランキングではトップクラス級です。

 

この蝶はツバメシジミまでは同じネーミングですが似て非なる姿。4つだけの黒点と明るいオレンジがぱっと目を引きます。長い尾状突起や構造色の輝きもこの蝶の魅力です。オスの表は青くメスが黒っぽいのはよくあるパターン。派手さはありませんが、やさしい雰囲気を感じます。

 

この蝶の生息地はざっくり言うとやや草丈を残したススキ原のような草地。晩夏から初秋だとまだまだ暑いので日ざしを避けられる草の茂った場所に多く出会えました。しかし草刈りをした部分も必要で、シバハギというこの蝶の食草が広がっていることも大切です。さらにシジミチョウといえばのアリとの関係も深く、多くのバランスが維持されている環境に暮らしています。

 

ものすごく小さなアリが腹部にまとわりついていたので喜んで撮影。

アリ目線で見てみると小さな蝶が大きく見えますね。

 

開翅も撮ってみたかったのですが、暑すぎて全くその気配がありません。

 

夕暮れに近づいてきた頃、ようやく開翅のブルー。


まずは大きめに、そしてこの蝶の小ささがわかるように小さめにも撮りました。後翅裏面のオレンジが表にうっすら透けて見えました。

 

2日目も前日の宮崎で丸一日あそび。

 

生息環境を撮っておきたく、まずは広角で撮影。

時間とともに草の奥から出てくる感じ。早朝から葉に止まっている姿はほとんど見られなかったような。

この日も前日以上に雲ひとつない快晴で暑いのなんの。

 

食草のシバハギ。

忘れないうちに撮影。時期が合わず花は見られませんでした。

 

暑くなったので日陰付近を中心に。

キツネノマゴでの吸蜜を撮影できました。

 

午後遅く、狙っていた半開をようやく撮影できました。

表と裏面が同時に撮れると嬉しいです。

 

最終日は空港が近い鹿児島で午前中のみ。

メスの開翅を狙いましたが新鮮個体では撮れず。翅すりすりオレンジに終わりました。

 

帰りの鹿児島空港

大阪関空へ戻ります。

 

さて今回の蝶あそびですが、晴れすぎ暑すぎでした。行けば行くほどに課題が残りますが、再度行く機会があれば明るい曇りを希望します。

夜のラーメンやお寿司はとても美味しかったです。

 

2024年9月・宮崎県と鹿児島県

湿原のカラフトルリシジミ(2024年7月)

外付けのSSDを購入し、やっと2024年の画像整理を終えました。1年間で約1300枚、40GBのデータ容量になりました。時系列ではないですが、少しづつ蝶あそびを更新していきたいと思います。

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7月の道東、蝶友さんのおかげで念願だったカラフトルリシジミの出会いが叶いました。湿原に行けば必ず会えると思っていただけに、全く見つからずで意気消沈。どんどん時間がなくなっていくなか最終日の残り数時間、少し場所を変えたところで奇跡的に出会えたときは感極まりました。

 

カラフトルリシジミの生息環境。

いわゆるミズゴケの湿原で、スゲなどの草のほか、盛り上がったところにはマツやコケモモ、モウセンゴケのほか、食草のガンコウランなどの湿性の植生が見られます。

 

初撮影のカラフトルリシジミ

まずは撮影できて良かったの一言。とても美しい姿でした。

 

メスの半開。

遠めでしたが、メスと分かりました。

 

オスの半開も。

深い青色が湿原に映えました。

 

行き帰りの釧路空港。

幸いヒグマには遭遇しませんでした。

 

湿原辺りは気温が低く小雨混じりであまり良い天候ではなかったこともあってか、ぎりぎりで撮影できたのは奇跡的だったと今でも思っています。今回見つからなかった場所ですが数年前はたくさん飛んでいたという蝶友さんの情報から、もしかしたら湿原の乾燥化など環境が一気に変わってきているのかもしれません。一時的なものであることを願うばかりです。

この湿原には蚊が多く、しかもすごく大きいのでシャツを着ていても上からどんどん刺してきます。結局100以上も刺され、帰阪してから皮膚科でステロイドを処方してもらいましたが、治るまでに2週間以上かかってしまいました。

 

初めてのカラフトルリシジミ、課題を多く残したのでまたいつか挑戦できたらと思います。夜のラーメンやお寿司も美味しかったですが、今度は祝いながら楽しみたいです。

 

2024年7月・北海道

2025年〜本年もよろしくお願いします

今年もマイペースで蝶にあそびたいと思います。少しづつ出かける頻度が減ってきていますが、一期一会の時間を大切に、より丁寧な撮影を心がけていきたいです。

昨年は多くの友人にお世話になり、春はギフチョウそっちのけでトラフシジミに力を入れたほか、夏は北海道のカラフトルリシジミと宮崎のタイワンツバメシジミを撮影できたのがいい思い出になりました。課題も多く残してしまったので、再挑戦できればと思っています。

 

さて年始の1枚ですが、華やかな1年にしたいとマツムシソウクジャクチョウを選びました。2024年8月末、御嶽山麓での撮影です。

傾いた花に止まったおかげで花も大きく入れて撮影できました。

 

クジャクチョウはマツムシソウが大のお気に入りで、マツムシソウが咲いていると必ずといっていいほどこの花にやってきます。クジャクチョウは以前かなり激減してしまい一時は出会うのが大変でしたが、だいぶと回復して数多くの姿が見られるようになりました。今年もこの光景を見に出かけたいと思います。

 

2025年、いい年になりますように。
どうぞよろしくお願いいたします。